キーボードだけで数式を入力してみる

松田裕幸

例

この例を使い、キー操作を解説していきます。
x=
-b±
2
b
-4ac
2a
x=
はそのままタイプします。
x=
次は分数ですので、+/ で分母・分子のプレースホルダ
□
を用意します。x
=


先に分子から埋めていきます。なお、順番はどちらが先でもかまいません。プレースホルダ間の移動には

キーを使います。
-b まではそのまま入力します。
x=
-b

次にくる数学記号
±
は

+-

で入力します。
x=
-b±

ついで
+2
で二乗根を用意します。ここで + は実際に + を入力するわけでなく、

キーとキー2を同時に押すことを意味します。
x=
-b±


二乗根内のプレースホルダを埋めていきます。
2
b
は
+6
で準備します。
x=
-b±



実際に
2
b
を入力します。
x=
-b±
2
b

この段階では、 b の肩に載っている 2 の後ろカーソルが残っているので、 -4 ac の位置まで下ろす必要があります。これには「式の終わりへ」
+␣
を入力します。
␣
はスペースバーを表します。
x=
-b±
2
b

最後、分子の残り部分と分母を入力し、完成です。
x=
-b±
2
b
-4ac
2a
なお数式をテキスト中にインライン
x=
-b±
2
b
-4ac
2a
で挿入したい場合、式の前後を
+(
と
+)
で囲む必要があります。
【参考】「キーボードショートカットのリスト」https://reference.wolfram.com/language/tutorial/KeyboardShortcutListing.html.ja

特殊文字

Mathematica ノートブックで使われる特殊文字は \[ で始まる完全名が定義されています。たとえば
π
は\[ Pi ] (空白なし)です。そのうち、よく使われるものはエリアスを持ちます。Piのエリアスは :Pi: となります。ここで : は文字”:”でなく

キーなので注意してください。
「Wolfram言語のシンタックス」∞ 
∫
… 「ギリシャ文字」α δ …「表記的アルファベット文字」ℋ  a. …「数学表記」⋃ ∧ ϵ ∲ ∴ ∠ …「矢印および矢印様形式」↕ ⇌ …「テキスト形式」¶ † ✓ © … 「通貨,単位,特別な表記」Å ⇌ ♃ ♫ … 「図形,アイコンと関連する文字」  ⌚ …「非表示文字」空白や改行等 …「国際的な文字セット」â ç Æ …
【参考】https://reference.wolfram.com/language/guide/SpecialCharacters.html.ja

演算子

「基本的な数学の演算子」a÷b … 「微積分学と代数の演算子」∇ (転置)… 「論理結合子とその他の結合子」∧ ∨ ¬ ∀ ∃ ⊻ ⊼ ⊽ …「アクションを表すための演算子」⊕ ⊗ ⋂ ∐ …「ブラケット化演算子」〚  〉 ⌊ ⌋ ⌈ ⌉ …「関係を表すための演算子」 ∼ ≃ ∝ ⊂ ⊆ ∈ ∋ ⊄…「矢印記号とベクトル記号に基づいた演算子」↔ ⇐ ↓ …「構造化要素とキーボード文字」
2
3
4
(2+ +/ 3 4)
【参考】https://reference.wolfram.com/language/tutorial/MathematicalAndOtherNotation.html#41
備考:完全名に関しては Mathematica 内「ヘルプ」tutorial/MathematicalAndOtherNotation#27644 でしか知ることはできません。たとえば ↑ は\[ UpArrow ] 。

演算子の評価規則

たとえば ArcTan[x] の x についての2階微分
In[]:=
D[ArcTan[x],{x,2}]
Out[]=
-
2x
2
(1+
2
x
)
は数学演算子 ∂ を使い表現でき、実際に実行できます。
In[]:=
∂
x,x
ArcTan[x]
Out[]=
-
2x
2
(1+
2
x
)
こうしたMathematicaの関数と数学演算子との関係、および引数の評価順に関する一覧が用意されています。
【参考】https://reference.wolfram.com/language/tutorial/OperatorInputForms.html.ja